キセル乗車
不正乗車のことをキセル乗車と呼ぶ方もいますが、キセル乗車とは2枚の乗車券や定期券を使って間の料金を払わずに乗車すること。
これがキセル(煙管)ですが、タバコの葉を入れるところと吸い口は金属製ですが、間は木製になっています。
この木製部分の料金を支払わずに乗車するからキセル乗車と呼ばれています。
乗車する際には一区のきっぷを購入し、下車する時は手持ちの定期券を用いるキセル乗車が一般的ですが、中には両端区間の定期券だけを購入してキセル乗車する悪質な人も散見されました
(A駅からB駅までと、C駅からD駅までの2枚の定期券使ってA駅からD駅まで乗車する)
私が駅勤務をしていた1981年から1983年ごろ、私が勤務していた会社ではほぼ自動改札の設置は完了していましたが、当時の自動改札や定期券には入場情報を入力したり読み取るような機能はありませんでしたし、入場時や出場時に自動改札を使わずに駅員に提示する人もまだ多く、ある種キセル乗車は今よりはるかに簡単にできた時代ではありました。
今はSuicaやICOCAなど交通系ICカードやスマホアプリを自動改札にタッチして乗車する方の方が多く、また磁気化券も入場情報がなければ自動改札で出場できないなど、昔よりキセル乗車は難しくなっているでしょうね。
券面を指で隠す
駅勤務をしていて多いなと思ったのが、定期券の券面を指で隠して改札を通過する人。
有効期限を指で隠す人もいれば、有効区間を指で隠して通過する人もいました。
先にも書いたように、自動改札は設置していてもまだまだ定期券を駅員に提示して入出場する人が多かった時代ですから、こういうことができてしまうわけです。
でも改札で見ていたら分かるんですよ、不正目的で定期券の券面に指を置いている人と、無意識で指を置いている人の違いが。
不正目的の人なんて文字を完全に隠さなきゃバレると思っているから、不自然に指がまっすぐに券面に置かれていたりします。
面倒くさいから放っていますが、たまに特改といって朝の通勤時間帯に抜き打ちで助役数人による特別改札が実施されて、おかしな行動をして改札を通ろうとする人を捕まえて券面のチェックをしていました。
有効期限切れの場合、切れた日から捕まった日までの日数分の普通運賃と2倍の増運賃を取っていました。
有効区間外の場合、定期券購入日から捕まった日までの日数分の区間外乗車相当分の普通運賃と2倍の増運賃を収受します。
日曜日は出社していないから乗車していない、などという人もいましたが関係ありません。
改札を通らない・自動改札を突破&くぐる
改札を通らずホームから軌道内へ降り、少し歩いて柵をまたいで出て行ってしまうそんな人もいました。
ちょっと反発したい年頃の学生がやりそうなことですが、意外といい歳をしたおじさんのほうが多かった印象があります。
駅によってはホームから直接外へ出てしまう人もいたし、逆に道路からよじ登ってホームに直接入ってくる人もいたし。
あとは自動改札なんてなんのその、警報音が鳴っても扉が閉まっても関係なく力づくで出て行く人もいました。
たいていは駅員がたまたま席を外している時にする人が多いのですが、治安に難のある駅では駅員の存在なんて関係なく突破していくし、そういう駅では駅員を恫喝しながら改札を出入りすることも。
そういった駅で下手に注意してトラブルになると様々な団体さんが〝差別だ!〟と押し寄せ来ることが現実にあったので、その駅では無視していればよいということになっていましたが。
※なので昔は全員が受講しなければいけなかった会社内の同和教育は一切出なかった私…
改札の窓口から一番遠い自動改札を、体を小さくしてセンサーにかからないようしてくぐっていく人もいました。
小さな子供がきっぷなしでも自動改札を通過できることを逆手に取っているわけですね。
今は改札口の一部を無人とする駅がかなり多いですから、自動改札をくぐって通り抜ける人も多いでしょうね。
先日○急の駅で、駅員がいない改札口の自動改札をくぐって出て行く50代くらいのおじさんが5~6人くらい連なっていて、その無様な格好に吹き出しそうになりました。