地車(だんじり)が踏切を横断する時

地車(だんじり)というと岸和田のだんじり祭りが有名ですが、関西ではあちこちのお祭りで地車を見かけます。

地車は一つの集落(氏子)に1台あって、集落内を曳いて回って地域の神社(氏神)へ集結(宮入)します。

集落と神社の位置関係によっては線路を横断する必要があるのですが、オーバーパスやアンダーパスを地車が通過することはほとんどありません。

オーバーパスやアンダーパスって勾配がきついことから、重い地車を曳いて通過するのが困難なこと。

また地車が通過する際には車の通行を規制する必要があるなど、オーバーパスやアンダーパスを地車が通過するには制限が多いです。

またアンダーパスだと地車の高さから通行不可というケースも少なくはありません。

このために地車は極力踏切を通過していきます。

ただし踏切だって電化路線ならば電車線(架線)への接触という危険性があることや、脱輪した際には列車を緊急停止させる必要があることから、事前に鉄道会社に対して地車の踏切通行の申請が必要なのです。

地車の大きさや何時何分ごろに踏切を通過する予定なのかを書類で申請し、その時間帯には当該踏切近辺に鉄道会社側の係員を配置するなど結構手間がかかります。

地車が踏切を通過する時間は事前に乗務区に掲示されて、その時間帯に通過する列車の担当運転士へは地車横断に関する通告も行われます。

地車が通過できる踏切は自動車も横断する踏切ですので、踏切障害物検知装置が設置されているから万が一の時は特殊信号発光機が明滅するのですが、もしもってことがありますからね。

踏切の警戒に当たる係員は私が勤務してた会社では乗務区から助役や保安関係の係員が来ていましたが、会社によっては最寄り駅の係員だったり電気や工務関係の係員が警戒に当たることもあるようですね。

警戒にあたる係員は手旗のほか信号炎管を携えており、ダイヤを片手にどのタイミングで地車を通過させるかをその場で判断していました。

私も助役をしていた短い期間中に1度だけ地車横断の警戒に立ち会ったことがあります。

「次の下り電車が通過したら渡ってください」

そして下り電車が通過して遮断棹が上がると地車の責任者の方に

「いつもありがとうございます!」

という大きな声とともに、その地域の地酒を一升瓶で2本もいただきました。

あの時のお酒は乗務区へ持ち帰ったのですが、私は一滴も飲んでないのだけどどこに消えたのだろう。。。

ちなみに私が勤務していた会社では地車を「だんじり」とは呼ばずに「ぢくるま」と呼んでいました。