昔は職名が今より複雑だった
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昔は職名が今より複雑だった

今って鉄道における役職名って少なくなっています。

昔はかなり複雑でして、同じ駅勤務であっても階級ごとに役職名が違っていました。

名札にも職名が入っていて、ひと目で階級が分かったんですよ。

私が勤務していた会社の駅員の「職名」についてです。

 

私が入社した昭和50年代、勤務していた鉄道会社では駅勤務でもっとも下の位が「駅務係」という職名で、給与体系の区分としては2格となっていました。

今でも「駅務係」という名称を使用している会社はあるかもしれませんね。

 

そして「駅務係」のひとつ上が「駅掌補」で給与体系の区分としては3格。

 

その上に「駅掌」があって給与体系の区分としては4格。

「駅掌」という名称も私鉄によっては今でも使っている会社があるかもしれません。

「駅務係」と並んで駅勤務の職名としては「駅掌」はポピュラーなものでした。

 

さらにその上には「駅掌指導係」があって給与体系の区分としては5格。

一般の駅員でもこのように区分されていました。

今は一般の駅員は一括りで「営業係」みたいに職名が統一されていて、社内での格付けというか給与体系上どの地位なのかがひと目では分からなくなっていますよね。

 

ちなみに「指導係」という名称は誰かを指導する役割を持っているのではなく、旧国鉄でも職制変更の時に「世話掛」を「指導掛」に変更されたのでそれにならってのことだと思います。

※旧国鉄では「係」ではなく「掛」と記されていました。

車掌や運転士も同様にいくつかの「職名」で区分されていていました。

 

 

「駅務係」がもっとも下の位で、高校以上を卒業して入社した場合には「駅務係」として2格の格付けが与えられていたのですが、昭和30年代まではさらに下の位があったようです。

中学校卒業後に入社した人は給与体系の区分としては1格とさらに一つ下の位。

職名は・・・ど忘れしちゃったなぁ・・・

1格と2格の駅員を統合して「駅務係」としたので、2格の「駅務係」もたしか別の名称だったんだけど。。。

中学卒の駅員のことを「ちょこま」と呼んでいたという記憶はあるんだけど。

ちなみに中卒だから昇格できないということはなく駅長や列車区長に就いた方もいましたし、運転士や車掌にもかなりたくさん中卒の方がいました。

叩き上げで昇格した人たちだから、高卒の社員よりいろんな面で厳しい人が多かったなぁ。

 

 

実はこれ以外に「駅士」という職名もありました。

旧国鉄の職制変更前に存在した「駅手」に相当するものです。

中学卒で入社して最も低い地位である1格だったとしても、数年後には2格に昇格し、さらにその先は車掌や運転士へとなることができたのに対して、「駅士」は昇格することはありませんでした。

旧国鉄の「駅手」は荷物の運搬や貨物の積み下ろしといった、どちらかというと雑用が主の仕事だったのですが「駅士」も同じで、駅での雑用が主任務でした。

私が入社して配属された駅管区には、「駅士」上がりの方が1名いました。

私が勤務していた会社でも職制が変更されて1格と2格の駅員を統合し「駅務係」となり、さらに「駅士」も廃止されて「駅務係」に統合されていました。

私の両親より年上の方でしたが「駅士」上がりの人は「駅務係」のままでしたし、改札業務に就くこともできない状態のまま放置されていました。

なんて前時代的で封建的な職場だったことか・・・

学歴は問わず中途入社で駅での雑用を行う仕事という位置づけで、その元「駅士」の方は中学校へ行くこともできなかった方でした。

 

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