関東ではSuicaやPASMO、関西ではICOCAの使用が圧倒的に多い交通系のICカード。
導入するのには多額の資金がかかることから、地方の中小私鉄ではなかなか導入が進みません。
そこで最近はクレジットカードを改札にタッチして乗車できるクレカ決済が少しずつ広がりつつあります。
2020年11月に京都丹後鉄道でVISAタッチを導入し、南海電鉄でも2021年4月から一部の駅でVISAタッチによる改札通過の実証実験を行っています。
わざわざ交通系のICカードを持つ必要がなくなり、順次タッチ機能搭載のクレジットカードに切り替えを進めているVISAカードがあればタッチで乗車できるようになるのですから、メリットはかなり大きいですよね。
SuicaやICOCAなどのICカードの導入はとにかくかなりの資金が必要だそうで、その多額の出資がイヤだった関西の私鉄は比較的装置が簡便で費用も抑えられるPiTaPaを導入。
チャージしたお金をその場で引き去るSuicaやICOCAなどのシステムに対して、PiTaPaはクレジットカードと同様に1か月分まとめて後から請求されるシステム。
後から引き去るシステムのほうが装置としては安価で済むと、会社在籍時に会社の偉い方が熱弁していました。
※そのせいでPiTaPaを敬遠してICOCAを選択する人が多いのですが
VISAタッチの場合はSuica、ICOCA、PiTaPaなどと違って現状では読み取りに少し時間がかかるらしく、確実にタッチして読み取られたことを確認しないといけない。
SuicaやICOCAなどのようにラフにタッチして改札を抜けようとすると閉まってしまう可能性が高いかもしれません。
南海電鉄での実証実験の結果を踏まえて改良が進めば都市部の鉄道での導入も進むでしょうし、地方の私鉄や路線バスでの導入にもつながっていくでしょうね。
しかし私が駅勤務をしていた1981年から1983年と比べると、駅務機器の進化は目を見張るものがありますよ。
ICカードなんてものは世の中になかったし、私鉄は裏が茶色の定期券(磁気定期券)は発行していたものの、国鉄(JR)はまだ紙に駅名や日付のスタンプを押した定期券でした。
私鉄の磁気定期券だって今のように薄くて折り目が付きにくいものではなく、硬くてすぐに折り目が付いて改札を通れなくなることが多かった難儀な物でしたし。
ついでに書くと、裏が茶色の定期券や切符は磁気が弱くて他の磁石を近づけるだけで読み取りができなくなっていたのですが、磁気を(数十倍?数百倍?)強くした改良タイプの定期券や切符は裏が黒に変わりました。
切符なんて国鉄からの連絡乗車券はまだ硬券が多数でした。
駅の定期券売り場だってクレジットカードで決済できたのはごく一部で、ほとんどの窓口では現金払いだったし。
それが交通系のICカードにとどまらずクレジットカードをタッチして乗車できるようになるだなんて、40年の間の進歩ってやっぱりすごい。
回転式の日付印を回数券に押していた時代がなつかしい。。。